ニュースレター

019号 2011年4月

■ 今回のテーマ

・5分で『試験デザインの作り方を説明する』方法。

・経口摂取の試験を簡単に説明する方法。

・皮膚の試験を簡単に説明する方法。

機能食品研究所、梅田です。いつもお世話になっております。東日本大震災の被災者の方々に心からお見舞いを申し上げます。

5分で『試験デザインの作り方を説明する』方法。

今月の機能食品通信は【簡単に試験を説明する方法】という特集です。

今年に入り、複数のお客様から「(自社の)別の部署の方に、ヒト試験(臨床試験・食品試験)とは何かを数分で説明したい。」「同僚の方に、ヒト試験をA4の書類2枚程度で簡単に説明したい。」というご相談いただきました。お客様のお役に立つのであれば、何分・何時間でもご説明しますし、何十・何百枚でもご説明資料を作ります。しかし【数分】とか【書類2枚程度で簡単に】という事は、まずは『大きな枠』だけで充分という事です。これを家電やパソコンソフトの説明書で例えますと、先に全て読まれる方がいれば、部位やボタンの説明だけ大まかに読んでおいて必要が生じるたびに追加で読まれる方もみえられます。そのため家電やパソコンソフトには分厚いマニュアルの他に、クイックマニュアル(簡易マニュアル)という数ページの「これだけ知っていれば、そこそこ使えます。」という説明書が付いてくるのだと思います。そこで弊社も、試験デザイン作成のクイックマニュアルを作成しました。まずは相手の方に3コマ漫画を2つ見ていただき「どのヒト試験も『 被験物質を使用 → 測定 → グラフ化 』という基本スタイルです。」とご説明します。すると相手の方から「つまり、その3コマ漫画の2コマ目の測定項目が色々あるのですね。どんなのが有るの?」という質問をしてくださるので、第一段階は成功です。

初対面のご挨拶と3コマ漫画の説明で1分ぐらいかかるので、あとは4分で測定項目の種類などをザックリとご説明する事になります。

経口摂取の試験を簡単に説明する方法。

ではさっそく測定項目の説明です。ここでは食品・ドリンク・サプリメントなどのように経口摂取(口から摂取)する試験の場合です。

まずは例を書きます。○の中に入っている数字は後ほど説明いたします。

例1【☆(試験の)目的】

サプリメント摂取で「①空腹時の血糖値」が下がる事の確認

【★(測定する)項目】

①空腹時の血糖値

⑭内科問診・安全性確認用の血液検査

【●(摂取・使用・塗布する)期間】

4週間

【▼測定(する日)】

摂取開始3週前、摂取0週目(摂取前)、摂取4週目

【■(被験者さんの)人数】

20名x2群(被験物質群とプラセボ群の計2群)

続いて、あと1つ例を書きます。

例2【☆(試験の)目的】

ドリンク摂取で「③空腹時の中性脂肪」が下がる事の確認

【★(測定する)項目】

③空腹時の中性脂肪

⑤各種コレステロール

⑭内科問診・安全性確認用の血液検査

【●(摂取・使用・塗布する)期間】

8週間

【▼測定(する日)】

摂取開始3週前、摂取0週目(摂取前)、摂取4週目、摂取8週目

【■(被験者さんの)人数】

25名x2群(被験物質群とプラセボ群の計2群)

この分野をご存じ無い方であっても、5つ(☆★●▼■)の内容を変えていけば良いと把握していただけると思います。

では、各項目にはどんな単語が入るかの一例を列挙します。

【☆(試験の)目的】【★(測定する)項目】

①空腹時の血糖値

②食事直後の血糖値の推移

③空腹時の中性脂肪

④食事直後の中性脂肪の推移

⑤各種コレステロール

⑥体脂肪率

⑦腹部断面画像の面積解析

⑧血圧

⑨リラックス・ストレス

⑩眼精疲労

⑪体温変化

⑫血流量変化

⑬唾液分泌速度

⑭内科問診・安全性確認用の血液検査

⑮被験者さんご自身のアンケート(使い心地など)

【●(摂取・使用・塗布する)期間】

1回、2回、2週間、4週間、8週間、12週間

【▼測定(する日)】

摂取開始3週前、摂取開始2週前、0週目(摂取前)、4週目、8週目、12週目、終了日から2週後、終了日から4週後

【■(被験者さんの)人数】

15名×2群、20名×2群、30名×2群

この5つを先ずはザックリと組み合わせておき、後ほど具体的な内容を詰めていけば良いのです。

皮膚の試験を簡単に説明する方法。

では次に、化粧品石鹸・衣類・美容機器・ヘルスケア用品のように皮膚(身体の外側に)使用の場合です。

ここでは【☆(試験の)目的】【★(測定する)項目】のみ増えます。

①肌の保湿(角層水分量)

②バリア機能(経表皮水分蒸散量)

③肌の張り(粘弾性)

④肌表面の油分(油分量)

⑤写真判定(角質の傷み(いたみ)、肌理(きめ)、くすみなど)

⑥シミ・シワ・ニキビなど(皮膚画像自動解析システム)

⑦皮膚科専門医による問診

⑧皮膚科専門医による問診時の視診判定(乾燥・紅斑など)

⑨被験者さんご自身のアンケート・VAS(使い心地など)

⑩内科問診・血液検査(安全性確認)

では例を作ってみます。

例3【☆(試験の)目的】

化粧品使用で「①肌の保湿(角層水分量)」が上がる確認

【★(測定する)項目】

①肌の保湿(角層水分量)

⑦皮膚科専門医による問診

【●(摂取・使用・塗布する)期間】

4週間

【▼測定(する日)】

塗布開始2週前、塗布0週目(塗布前)、塗布4週目

【■(被験者さんの)人数】

20名x1群(同一人物の左右別々の腕に被験物質とプラセボを各々塗布し20名×2群と同じ量のデータを確保)

ここまでご説明しますと「それならば、美容ドリンク・美肌サプリメントのように食べたり飲んだりする物質の肌試験も出来るよね?」というご質問に至ります。もちろん出来ます。

例4【☆目的】

ドリンク摂取で「①肌の保湿(角層水分量)」が上がる確認

【★項目】

①肌の保湿(角層水分量)

⑩内科問診・血液検査(安全性確認)

【●期間】

8週間

【▼測定】

摂取開始3週前、摂取0週目(摂取前)、摂取4週目、摂取8週目

【■人数】

25名x2群

これで5分間での説明が完了です。とある初対面の方から「例4まで進むと【 】内の( )は無くても大丈夫。」というご意見を戴きました。皆様のご意見ご感想をいただけます事を、いつも感謝しております。

これら内容の詳細につきましては『臨床試験の受託測定項目・期間・人数の組み合わせ』にございますので、お目通しいただけますと幸いです。

最後までお読みいただき、ありがとうございました。

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