ニュースレター

023号 2011年8月

■ 今回のテーマ

・続、仕様書(試験デザイン)作りへの「こだわり」。

機能食品研究所、梅田です。いつも大変お世話になっております。

「まるで自分が展示会のブース設営をしたかのような気持ちになれる記事でした。」「お客さん(メーカーさん)がどんな気持ちで広告を頑張って作っているかを、少しでも多く理解しようと努める梅田さんの姿勢、たいしたものです。」「暑いから身体には気を付けてくださいね。」というお便り・メール内の追伸をいただきました。こうやって皆様からコメントを寄せていただけます事、心から感謝しております。

続、仕様書(試験デザイン)作りへの「こだわり」。

最近、お客様から「仕様書(試験デザイン)作りについて、もっと詳しく教えて。」というお問い合わせを多くいただくようになりました。「もっと詳しくと言いますと、どのような部分を詳しくお話しましょう?」と伺いましたところ、「お客様の求めている内容を汲み取りながら作成する具体的な方法を知りたい。」「(お客様が)他の仕事を多く抱えていて忙しいため、ヒト試験の発注作業にだけに注力できない。それでも、(お客様との)しっかり意思疎通が可能ですか?」との事でした。

弊社ホームページ上のバックナンバー【機能食品通信1号(2009年10月発行)記事名: 仕様書(試験デザイン)作りへの「こだわり」】を読み返してみたところ、ギリギリ識字できるか出来ないかという右のイメージ図の横に「麺もスープも具材もこだわっている頑固なラーメン屋のオヤジの如く、こだわりぬいた仕様書(試験デザイン)を作り、それを基に精度の高い試験計画書作成・試験実施をするのが弊社の自慢です。しかし、現代に於いては頑固すぎるラーメン屋が流行ったのは昔の話です。お客様が求めていないものを売りつけるのは独り相撲になってしまうのでバランスも大事と心得ております。」と書いては有りますが、確かに【具体的な方法】は書いてありませんでした。失礼しました。

それでは、具体的な方法についてお話させていただきます。

まず、この仕様書(試験デザイン)とは何かという説明ですが、試験計画書の基ネタを指しております。1枚の紙に「題名」「二重盲検法(ダブルブラインド)などの種別」「群の構成・内訳」「摂取・塗布期間」「主な測定項目」「その他の測定項目」「測定スケジュール」「概算」「目的」「被験者背景」「有効性判定方法」「安全性判定方法」「統計解析の方法」「御契約から報告書提出までのスケジュール」「参考文献名」の情報を入れ込んであります。

「血液・尿検査の項目のように文字数が多い場合」や、「皮膚等の測定方法・条件に注釈が必要な場合」「測定日によって項目が違う場合」は【別紙】を用いて明確に把握出来るようにしております。

もちろん、試験計画書そのもの、つまり十数枚以上にわたるワープロ・ワード文章を用い何度も何度も変更履歴・朱書き・打ち消し線を使ってお客様・先生・弊社で打合せをする事も可能ですが、ご多忙なお客様・先生の労力を少しでも減らす事ができればという気持ちで1~3枚の紙だけで全体が把握出来る仕様書(試験デザイン)というシステムを作ったのです。

これらを練り上げる方法ですが、メールでエクセルやパワーポイントのファイルでやりとりをし、お客様から「梅田さん、私の追加希望を朱書きで入れておいたから、統括医の先生にご意見をいただいて貰えませんか?」とか、弊社から「○○様、弊社としては朱書き・赤丸の項目を付け加えてみると更に良いと思います。一方、青色で打ち消し線をしてある部分は目的から察すると不要かもと思いますが、いかがでしょうか? これらは、大学の統括医・統計アドバイザーの先生がたのご意見を伺ったうえでのご提案です。」のように意思疎通を明確に行います。

では、最後に仕様書(試験デザイン)内の項目を簡単にご説明をいたします。

【題名】何を確認する試験かという内容を短文で表します。例:○○抽出物による食後血糖値上昇抑制試験。

【(二重盲検法(ダブルブラインド)などの)種別】被験者(モニター)さん・統括医・弊社スタッフなど試験現場に関わる全員が、どの被験者さんが何を摂取・塗布しているかを知っている・知らないかなどの種別。現場の全員が知らない場合を二重盲検法(ダブルブラインドテスト)と言い、先入観・恣意・思惑が入らない試験が出来るため、弊社は原則としてこの方法を使用しています。

【群の構成・内訳】被験物質とプラセボ(コントロール)を何名ずつで実施とか、どの被験者(モニター)さんも被験物質とプラセボ(コントロール)を各々別々の期間に両方とも摂取・塗布するなど。例:25名×2群

【摂取・塗布期間】何分・何時間・何日間どのように摂取・塗布するかなど。例:最初の1週間は前観察として全員がプラセボ(コントロール)を摂取し、次に4週間は各群に割り振られた物質を摂取。

【主な測定項目】最も結果を期待している項目を1つ書きます。これが主解析項目となります。例:LDLコレステロール

【その他の測定項目】主解析項目の次に結果を期待している項目を数個書きます。これが副次解析項目となります。例:HDLコレステロール、体脂肪率、中性脂肪、体重

【測定スケジュール】何週目で何を測定するなど、表にします。例:下のイメージ図参照。

【概算】実施時期・被験者数別などに分けた額です。例:8月開始●●●万円、9月開始●●●万円

【目的】主な測定項目・その他の測定項目と重複しますが、この試験の目的を文章化します。例:●●抽出物8週間摂取によるLDLコレステロールおよびその他脂質系への効果を探索する。

【被験者背景】年齢幅・性別・血液や肌状態の条件など。例:20~45歳、男女、乾燥肌(機器測定値●●μS未満)

【有効性判定方法】どの項目が、どのような数値になったら有効性有り、それに届かずともこの数値になったら傾向有りと判定するなど。例:0週目に対する変化量の群間差で有意差が●.●▲未満であれば有効性有り、●.■●未満であれば傾向有り。

【安全性判定方法】安全性の判定方法です。例:全被験者の各データをカルテ化して統括医が判定し、必要に応じて●●検定にかける。

【統計解析の方法】統計解析の方法です。例:群間は●●検定をし、多重比較補正は●●を使用。

【御契約から報告書提出までのスケジュール】御契約から報告書完成までの流れです。例:10月上旬、御契約・統括医を交えたスタートアップミーティング。11月上旬:計画書案完成 11月中旬、倫理委員会書類提出 11月下旬:試験のシミュレーション実施・計画書の完成・倫理委員会への修正報告 12月、倫理委員会承認・被験者募集開始 1月下旬、摂取開始 3月下旬、摂取終了・速報提出 4月下旬、報告書案提出・御社を交えた打合せを重ねてから完成。

【参考文献名】どんな文献を参考としたかを明確にします。例:●●使用による食後中性脂肪上昇抑制 XXXX vol.62 320-329 2010

【★別紙血液・尿検査の項目のように文字数が多い場合】採用する可能性の有る測定項目を全て記載しておき、その試験で採用する項目に○を付けていきます。こうする事により、後になってから「しまった、●●という項目もやっておけばよかった」という後悔が発生せずにすみます。例:右のイメージ図参照。

【★別紙 皮膚等の測定方法・条件に注釈が必要な場合】&【★別紙 測定日によって項目が違う場合】たとえば同じ機械でも設定・測定回数・条件などは試験毎に変わりますし、測定日・部位も明確にしておきます。例:下のイメージ図参照。

これらの項目を何度も何度もというまで練り上げて「もう、目を閉じていてもイメージ出来る。」「もう、これ以上は変更無さそうだ!」となってから試験計画書(ワープロ・ワード文章)に流し込む事になります。

いかがでしたでしょうか? なるべく簡潔に書いてみましたが、具体的なイメージを思い描いていただけましたでしょうか?

これら内容の詳細につきましては『臨床試験の受託仕様書とは』にございますので、お目通しいただけますと幸いです。

弊社は、御社で作成された仕様書・試験デザイン・試験計画書の検証・チェックも承っております。9月末まで、特別価格キャンペーンをしておりますので詳細は同封のチラシをご覧ください。

最後までお読みいただき、ありがとうございました。

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