ニュースレター

029号 2012年 2月

■ 今回のテーマ

・営業活動と、カーブと梅田。

・ヒト試験会場での見学と測定(前編)。

機能食品研究所、梅田です。いつも大変お世話になっております。

「(年賀状の)ユニークな絵に、梅田さんの温かい人柄がしのばれました。」「(パソコン操作で)コントロールボタンとYの同時押し、すごく便利ですね。おかげで反復作業がはかどりました。」「便利な技術を魔法や忍術のように感じるのが梅田さんですね。」というお便り・メール内の追伸をいただきました。こうやって皆様からコメントを寄せていただけます事、心から感謝しております。とても嬉しいです。

営業活動と、カーブと梅田。

我が社はお客様からお問い合わせをいただきましたら、梅田がお伺いする事にしております。アポイントをいただきご面談いただくにしましても、お問い合わせのお電話をいただくにしましても、お客様の貴重なお時間を割いていただいています。割いていただく時間を少なくするめにはどうすれば良いのだろうかと、常に考えています。

まずはお客様の求められるゴール、つまり『目的』と『期日』を第一に伺う事にしています。たとえば「お考えの目的は、学会発表ですか?」「論文掲載ですか?」「プレス発表ですか?」「社内資料ですか?」と質問し、次は期日を「今年度末までに論文掲載まで完了ですね。」「●月頭までに速報データ提出ですね。」「●月の●●学会総会の締め切り日までに報告書完成ですね。」「報告書が出来てから商品発売だから、少しでも早いほうが良いのですね。」のように教えていただきます。

このように『目的』と『期日』を最初に伺いましたら、それを達成するために必要な道順が私の頭に自ずと浮かんできますので、必要な情報を必要な順にお話していくことになります。とはいえ、私はまだまだ未熟でして、弊社が提供できるサービスを必要以上にアレもコレも言いたい気持ちが沸く事があります。その時は「貴重な時間を割いていただいているのだから、蛇足は厳禁。そんな時は『カーブの話』を思い出せ!」と自分に強く言い聞かせ、脱線を防ぎます。

この『カーブの話』についてお話させてください。私は自動車の運転免許を大学3年生の時に取得しました。自動車教習所は下宿から自転車で10分の所に有り便利でした。

1月の雪がちらつく日に、入所案内のパンフレットを貰いに行き、石油ストーブにあたりながら職員のかたから料金の説明を聞きました。マニュアル車の場合、学科・実技教習がセット料金で20万円強。詳しい額はうろ覚えですが「自動車を使った実技教習で合格印を貰えなかった時は、1回6千円の補習料金がかかります。」との事。ギャグ漫画や芸人さんのコントで「今日の路上講習は不合格だ、印鑑は押さないぞ。」というお約束の展開を山ほどみてきたため、補習の存在は知っていたのですが、漫画やコントのキャラクターは6千円の出費覚悟で悪ふざけをしていたとは根性あるなと再認識。1日のバイト代相当(時給800円×8時間)の額がかかるという事を自分の事として想像してみると冷や汗が出てきた大学3年生の梅田。

この冷や汗には理由が有りました。自動車といえば、高校の時にゲームセンターで遊んだ体感型ゲームを思い出しました。横幅1メートルぐらいの大画面と、ハンドル・座席・アクセル・ブレーキが配置された座席シートがあり、そこに座って遊ぶゲーム。友人達が華麗に1位2位を争っている時に、私はコースからはみ出してばかりで常に最下位。そんな私は何回補修を受ける事やら。1回補習で6千円、2回なら1万2千円、4回で2万4千円、うむむ、考えるだけで恐ろしい。そんな悩みを頭の中でグルグルと巡らせながらの教習所からの帰り道、テレビゲームの店に立ち寄りました。週刊ファミ通(旧称:ファミコン通信)というゲーム雑誌にプレイステーションというゲーム機のソフト「免許をとろう 自動車教習所シミュミレーション」と「グランツーリスモ2」の記事が書いてあったのを思い出したからです。誰もが目的から考えると「免許をとろう」という直球ストレートな題名のソフトを選ぶはずですが、「グランツーリスモ2」を購入。国内と国外合計40社の実在する車種が実写さながらの立体的な描写(ポリゴン)で動き、国内ライセンスとか国際ライセンスのような試験が疑似体験できるモードも有ると書いてあったので、かっこいい世界を堪能しながら運転技術が身に付くなんて一挙両得だねと6千円を出して購入。つまり補習1回分の額のゲームソフトで疑似練習をしておき補習を回避出来るなら安いものよという考え。

下宿に帰り、ゲーム機にゲームソフトを入れてスイッチオン。お、これだ、これ、ライセンスをとるモードを選んでスタートボタンを押す。『時速100キロで急カーブを何秒以内に通過せよ。』という1つめの課題を前に「ああ、これ運転免許用じゃないね。」と気付きました。この日、何度やっても時速100キロでカーブは曲がれませんでしたが、ローギアから出発しスピードが出るにつれ徐々に上位の数字のギアに上げていく操作を初めて疑似体験し「カッコいいな。これがギアをガコガコって入れ替える動作なのね。」とワクワクしたものです。

その翌日、入所のお金を窓口で支払ってから、窓口の近くにいらっしゃった教官の先生に「カーブが曲がれず迷惑をかけるかもと思うと怖いです。」と正直に話しました。先生は笑顔で「きっと目の前2mや3mのところばかり見ているね。それだと右にハンドルを切りすぎた、左に切りすぎたと1秒毎に慌ててしまって危険。カーブの終わりのところを目で見ながらカーブに突入するんだよ。目が向けば、体もそちらに向く、そうしたら身体が勝手に最適な角度にハンドルを回すし、そこに至る道のりで注意を払わねばならない部分が自然に目に飛び込んでくるよ。」と笑顔で教えてくださいました。その晩、昨日購入したテレビゲームに再チャレンジをしたところ、時速100キロでカーブが曲がれました。やったー、私も曲がれた、これなら運転も怖くないとガッツポーズ。おかげさま補習の追加出費無しで教習を修了できました。

この経験から、自動車の運転に限らず何か行動するときはカーブの終わりにあたる『目的』と『期日』を見据えてから行動する習慣になりました。

ヒト試験会場での見学と測定(前編)。

弊社は、【ヒト試験(臨床試験・食品試験)を発注してくださったメーカー様】に、その発注していただき実施している試験現場の見学をしていただいております。リラックス度合いを測定する試験のような被験者さんへの圧迫感を少しでも減らしたい試験や、被験物質を飲んで30分後・60分後・90分後・120分後の採血を行うような常に秒単位での精度が必要とされるうえ、測定し直しが出来ないような覆水盆に返らずな試験は事情を説明したうえで見学をご遠慮いただき、現場の雰囲気が分かる写真をお送りしております。

弊社を設立した2004年、初めて受注したヒト試験を実施している時のお話。その試験を発注してくださったメーカーのご担当者様から「梅田さん、採血の最終日に見学したいけど良い?」とお電話が有りました。私は「ぜひ、お越しください!」と即答、続けて「しかし、どのように見学をしていただくと良いかを少し考えさせてください。」とお伝えして電話は完了。次に、私が気をつけるべき事を以下のように3点思い浮かべ、対策を考えました。『1 被験者さんへの過度な緊張が有ってはならない。』『2 試験実施の精度が落ちてはいけない。』『3 メーカー名を被験者さんに知られてはいけない。』

あまり細かく「あれは駄目です、これは駄目です。」と【試験を発注してくださったメーカーのご担当者様】に言うのも失礼です。色々と考えた結果「10時ごろに、普段着でお越しください。」というシンプルな一言で3点が解決できるという結論になりました。

弊社の場合、ヒト試験実施会場では、白衣は医師と採血担当看護師のみ、スーツは現場責任者の梅田のみです。他のスタッフは全員普段着なのです。白衣やスーツのような堅い服装の人数は少しでも減らしておく事により、被験者さんに対する圧迫感が発生しないようにしております。柔らかい表情と、堅くない服装により、日常と同じリラックスした状態で試験を行う事ができるようにしているのです。これで『1 被験者さんへの過度な緊張が有ってはならない。』は解決です。

メーカーのご担当者さまにとっても、被験物質への想いと情熱が山ほど詰まった大切な臨床試験です。見学の説明は梅田が丁寧に行いたいのです。しかし、その日の梅田の最も重要な仕事は試験実施現場での精度を保つことです。早い時間帯は各測定・採血工程が予定通り機能する事や、機器の動作が安定している事を先入観無しに落ち着いて入念に確認したいため、心に少し余裕が出てくる時間帯以降に来ていただきます。これにより『2 試験実施の精度が落ちてはいけない。』は解決です。

『3 メーカー名を被験者さんに知られてはいけない。』は、見学時にはお客様のご所属が分かってしまわないよう、文房具にメーカー名がプリントされていないものを使っていただきます。メーカー様としても開発中であることは極秘事項である事がほとんどです。被験者さんがメーカー名を知る事によって生じるプラセボ効果も避ける意味も有ります。

この見学方法で8年間近くやってきて、色々なメーカー様から色々なお言葉をいただきました。「この被験物質の開発に6年かかりました、今日の見学はまるで娘の小学校の入学式に来たような気持ちです。」「信頼してお任せしてあるけど、見学する事で信頼が増しますね。」「想い入れが強い商品なので、ここまで来たぞという嬉し涙が出ました。」これらのお言葉を胸に、見学の方法にも改良を重ねていく梅田でした。

後編(測定編 機能食品通信30号)はこちら

これら見学方法の詳細につきましては『臨床試験の受託試験会場の見学』にございますので、お目通しいただけますと幸いです。

最後までお読みいただき、ありがとうございました。

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