ニュースレター

030号 2012年 3月

■ 今回のテーマ

・ヒト試験会場での見学と測定(測定編)。
・4月24日(火)に、技術説明会を行います。

機能食品研究所、梅田です。いつも大変お世話になっております。

「確かに(自動車でカーブを曲がるとき)目が向けば体もそちらに向き、あわせてハンドルも勝手に動きますね。」「(ヒト試験会場を)見学をする時を思い描くことができました。」「毎号、(バインダーに)綴じていますよ。」というメール内の追伸・お会いした時にコメントをいただきました。暖かいお言葉、励みになっております。ありがとうございます。

ヒト試験会場での見学と測定(測定編)。

先月号(機能食品通信29号)では、試験を発注してくださったメーカー様に、発注していただいた試験現場の見学をしていただける事。見学時に気をつけていただく3点『1 被験者さんへの過度な緊張が有ってはならない。』『2 試験実施の精度が落ちてはいけない。』『3 メーカー名を被験者さんに知られてはいけない。』を、書きました。今月号は、その続編です。

あれは6年前の夏の日、メーカー様にお招きいただき「血液関連の試験を頼みたいのだけど・・・。」と、ご相談をいただきました。語尾が『だけど・・・』でしたので、私は「何かネックとなる事がございますか?」と、詳しく伺いました。自社で新開発した血液分析方法を試してみたいけど、採血後10分以内に前処置を完了させねばならないとの事。私は「手順を教えてくださったら、実施可能かの検討のため予行練習します。」と回答しましたが、希釈方法のルールが多岐に渡るうえ多くの経験・鍛錬が必要なので、出来ればご自身でやってしまいたいとのこと。私は3秒ほど考えたのち「そのお気持ち、よく分かります。では○○さま、採血日の全日程、その血液分析項目について現場で指揮をしていただけませんか? 弊社スタッフをアシスタントにつけます。」とご提案し、その方法にて満足していただけました。もちろん、どの被験者さんがどの群なのかという情報は現場に居る弊社スタッフ・医師・看護師・測定にお越しくださったメーカー様の誰も分からないようになっておりますので「この方、対照群だから、この数値はおかしいな、もう一度測りなおそう。」という恣意(しい)は生じないので大丈夫です。

その経験から、弊社は「測定機器を自社開発したので、それを現場に持ち込みたい。」「皮膚に粘着シールを貼って優しく剥がして角質を採取するとき、自社開発した分析方法に最適な力加減で採取したい。」「何百万円の機器を買ったから、それを現場に持ち込みたい。できれば自分で測定したい。」などのご要望に、この方法でお応えしております。

関連した内容での昔話ですが、5年前の皮膚試験の現場での事です。皮膚科専門医の先生が、椅子に座っている被験者(モニター)さん相手に【問診】→【顔・胸・腹・背中・腰・足を視診しながら5段階のスコア判定をして用紙に記入】→【背中の写真撮影】→【腰・足の拡大写真撮影】→【機器測定者が測定すべき場所の目印付け】をご担当してくださいました。ID確認や数値記入などのような部分は弊社スタッフがアシスタントをしておりますが、数時間もの間2種類のカメラを持ち替えて『直立』と『立て膝』の体制を繰り返し【背中・腰・足】の撮影をされているお姿を見て、「先生、カメラ撮影を弊社スタッフにお任せいただけませんか?」と質問しました。

先生は笑顔で「気持ちは嬉しいけど、皮膚は平坦とは限らないからピントを合わせるのが難しいよ。」とおっしゃいました。たとえば拡大写真ですが、カメラのレンズの先から伸びている丸いリングを皮膚に圧がかからないよう優しく当てて撮影をします。そのお話を伺いながら私が試しにやってみましたが、平坦な部位であっても苦戦し、丸みを帯びている部位はどうにもピントが合いません。ものの数分でカメラを構える手が疲れ、震えてきました。学生時代に1日中モクモクと顕微鏡を覗きながら交通量調査のようなカウンターを片手にカチカチと細胞数のカウントをしていた経験から「ピントぐらい・・・」と、軽く考えすぎていた事に反省。ならばと、先生とプロのカメラマンさんをお招きしての検討会議を開き、次の試験からご担当していただく事になりました。

私の考えですが、「説明書を読んで習得します。」と「使った経験がある。」は、似ているようで違うと思っております。同一の包丁を使ったとしても熟練者との差が出ます。もちろん、お客様から「その機器を使った事が無いのであれば、使い方の練習をしてから測定をしてください。」という依頼をいただいた時は、入念に使用練習をし、更に写真入のマニュアルを自作して自らの技術にまで昇華させてから本番で使用します。測定者の腕前による微細な誤差でも、採取したデータが多ければ誤差が積み重なって大きな差を生んでしまわないとは言い切れません。これは難しいなと思う時は、お引き受けする前に入念にお客様と意思疎通・打ち合わせをして解決策を必ず見つける事にしております。皆様、測定項目・方法でお悩みの時も、何なりとご相談ください。

これら内容の詳細につきましては『臨床試験の受託機器の持ち込み』にもございますので、お目通しいただけますと幸いです。

4月24日()に、技術説明会を行います。

4月24日(火)、技術説明会を行います。前回は昨年11月に皮膚測定機器のデモンストレーションを毎時0分から45分間で行いました。「あっという間だった。」「もっと長時間でも良いと思う。」というご意見・ご感想をいただきましたので、今回は90分間かけて、機器説明だけでなく企画立案・文献調査・動物試験・ヒト試験・学会発表・論文投稿・プレス発表の方法について、梅田が分かりやすいスライドを使ってご説明いたします。13時開始または15時開始のどちらかの部をお選びいただくことになります。場所は前回と同じ三重大学構内にある弊社の皮膚測定会場(津駅からバス15分 + 徒歩5分です。)。会費はワンコイン(税込500円)。今回も、皆様のお顔を見ながらお話を一歩一歩進めていきたいので、各時間とも定員8名様という少数で実施いたします。一方的な講演よりも、知りたい事を何度でも質問できる雰囲気を今回も重視しております。

今回の目的はヒト試験企画から学会発表までの工程をたった90分で疑似体験していただきます。疑似体験・イメージトレーニングをしておけば、お客様が将来、ヒト試験をしたいと思われたときに「2012年4月に梅田の話を聞いて何度も頭の中でイメージしてあるから、必要な情報・手順・材料・注意点が自ずと思い浮かんでくる。」と、お役に立てるようなご説明をさせていただきます。

この疑似体験・イメージトレーニングについて、昔話があります。私は楽器の演奏をするのが好きです。発表会・演奏会・学芸会・部活にて1人で舞台に立つ場合も、上手い下手は別としましても大失敗は無く何とか乗り切れました。これはおそらく、母が「演奏だけでなく、舞台を歩く姿・お辞儀の姿・演奏中の目線など全て頭の中でイメージしておくと良いよ。」とか「NASAの宇宙飛行士も、イメージトレーニングを採用されているらしいよ。」と教えてくれたおかげだと思っております。余談ですが、少年ジャンプの某忍者漫画に「作戦を頭に入れたらシュミレーションを頭の中で三回以上やっといてくれ。イメージトレーニングをやるやらないじゃ作戦成功率がまるで違うからな。」というセリフが有ります。

あれは高校1年生の春から半年間、生徒会で会計という役員を勤めました時の話。1年生なのでその高校でどんなイベントが有るか、全く知らないため不便もありました。例えば体育祭ですが、男子生徒全員で同じ動きをする団体演技で『エッサッサ』というプログラムが有りました。生徒会室で会長から「明日の体育祭、出席できなくなった。だから男子の全生徒の前でのお手本役を梅田に任せる。」と頼まれました。どこかの大学がやっていて有名だけどテレビで見たことない?と聞かれましたが残念ながら知りません。「上半身裸になって足を前後に開いて腕を交互に出したり引っ込めたりしながら『エッサッサ』と叫ぶのだよ。」と会長自らのお手本を見せていただき、それを真似てみましたが明日までに習得できるか、不安。ふと窓ガラスに映った自分の姿がタコ踊りにしか見えず不安は増大。

今の時代なら携帯で会長のお手本をムービー録画したり、インターネットの動画サイトで調べられたのですが、無策のまま不安を抱え家に帰りました。食事と風呂をサッサと済ませ、自室の鏡の前でモクモクと練習しましたが、カッコ良さとは無縁の動きしか出来ません。会場で壇上に上がるまでの動作、タコ踊りもといエッサッサをする姿、お辞儀をして壇上から降りるまでの一挙一動と表情を想像しましたが、成功イメージが全く沸いて来ません。先ず最初にマイクの前で「いやぁ~、昨日やり方を知ったばかりで。ははは・・・」という言い訳をしようかとも思いましたが、逃げに走らずと真剣な顔でタコ踊りをし続ける方が良いと判断した高校1年生の梅田。全校生徒が「わははは」と笑い出しても、全校生徒が「おいおいおい~」と怒り初めても、真剣な顔と元気な声で完遂しようと何度も何度も自分に言い聞かせ、気がつけば朝に。重い足どりで登校し、いよいよ30分後に本番が迫ったとき、グラウンドに大雨が。体育館への会場変更・移動により時間のロスが生じ、エッサッサは無しに。余談ですが翌年以降、エッサッサは我が高校のプログラムには載る事はなく、文化の伝承は途切れると大変と実感。あの体育祭から20年近く経った今、ネットでユーチューブという動画サイトにて日体大のエッサッサを観て「すごいカッコイイ。」と感動しながら、あの大雨で中止にならなかったらと思うと冷や汗が出ました。

最後までお読みいただき、ありがとうございました。

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